幸せになるのが怖いことについて

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幸せを手に入れたら”失う恐怖”と闘わなかればいけない。それなら初めから幸せになりたくない。って漫画の闇落ちしたキャラみたいなセリフ、結婚してからよくわかるようになった。今の幸せを奪われるのが怖い・・・。

出産直前に、旦那さんが事故で亡くなったというツイートを見た。「ああ、やっぱり本当に起こることなんだ」と思った。ツイート主は知らない人だけど実在する人物な訳で。気持ちを想像するだけですごく苦しくなった。

長野に引っ越しする時、わくわくする気持ちと同じくらいの不安があった。ただ一人の人間(彼氏)が住んでいるって理由だけで、友達も親戚もいない土地に引っ越すのに、もしその人がいなくなってしまったら?私、仕事もやめたのに?揃えた家電もいらなくなっちゃうね。

不安は的中することなく、無事に引っ越しを終えて2年以上経った。幸せな生活はこの先も続く(続いてください)。

私は長野で仕事も見つけて、友達も増えた。でも実は不安な気持ちは今も消えてない。ひとりになってしまった場合のことはいつも頭の片隅にある。今住んでいる所は私の給料では払えないから引っ越さないと。長野にいる理由もないし千葉に戻ろうかな。などなど

今、二人で暮らしててハッピーなはずなのに・・・。もし子供がいたら「この子のために住み続けよう」って思えるのかな。しかし子供を持つという幸せも怖い・・・。どうやら私はなんの覚悟もできてないみたいだな。

そういえば付き合い始めた頃よく「彼氏の趣味がバイクで心配じゃないの?」って聞かれた。その時はバイク事故の危険性もよくわかっていなかったし「乗るのを辞めてくれ」なんて私が言う権利ないな、と思っていた。今も思ってる。趣味を大切にするところが好きだしむしろ乗ってこその・・・と思う。ただ、確かに心配ではある。

不安になった時いつも思い出すのは高校生の時に読んだ星新一さんの「処刑」って言うショートショート。ある犯罪者が何もない砂漠でボールのようなものだけ持たされる。ボタンを押すと水が出る。でも一定の回数でボールは爆発してその時点で死刑執行となる。砂漠には他の犯罪者もいて時々遠くから爆発音が聞こえてくる。怖いけど、水を飲まなきゃ死んでしまう。毎回ビクビクしながらボタンを押して、水がでてホッとする。その繰り返しで疲れ果てて、ある時その犯罪者は悟る。この「一定の確率で死ぬって言うのは、何もこの砂漠で限ったことじゃない。普通に生きてたって一緒なんだ!」それならば、とずっと風呂に入りたかった彼はボタンを連打して水をたくさん出す。最高だ!いい気分だ!もっともっとボタンを押して水を出す。もっともっと・・・!次の瞬間あたりは光に包まれたーーー

確かこんなお話だったかと・・・。読んだ当時はよく意味がわからなかったけど「将来の不安でいちいちビクビクするより、今を快適に楽しく過ごすのが一番後悔のない生き方なんだな!」ってことだと思うな。勝手に解釈。

よかったら図書館にでもいってこのお話読んでみてね。私もうろ覚えだから読み直したいな。『ようこそ地球さん』の中に入っているみたいです。みんなも同じ不安を抱えて生きてるんだな、きっと。